「もう、見栄のために働く人生は嫌だ──」
私は50代を前に、20年以上勤めてきた金融機関を退職しました。 きっかけは両親の介護と、「このまま会社のために生きて本当に満足なのか?」という強い疑問でした。
退職後はせどり1本で生きてみたり、孤独に悩んだり、いろんなバイトを転々としながら、ようやく「客室清掃+副業」というハイブリッドな働き方に落ち着きました。
正直、脱サラは理想だけでは乗り越えられません。 でも、会社に縛られずに「自分の責任で、自分の時間を生きる自由」を得られたのも事実です。
この記事では、私が50代で脱サラしてどうなったかを、「仕事」「お金」「生活」の3つの視点からリアルにお伝えします。 また、脱サラを考えている方に向けた、現実的なアドバイスや準備のポイントもまとめました。
- 50代で脱サラしたリアルな体験談(仕事・お金・生活の変化)
- 脱サラ後に得たもの・失ったもの(メリット・デメリット)
- 脱サラを考えている50代に伝えたい「3つの準備」
- 関連記事から、より詳しい体験談や副業・働き方のコツが読めます
私が50代で脱サラした理由と背景

私が脱サラを考えたきっかけは、いくつか重なっていました。
両親の介護と、人生を見直す時間
40代後半、私は両親の介護に時間を取られるようになり、ふと考えるようになりました。 「このまま会社で定年まで働き続けて、果たして自分は幸せなのか?」
日々の仕事はこなしていても、心のどこかで「一度きりの人生を、自分のために使っていない」と感じていたのです。 介護という「待ったなし」の現実を前に、人生の優先順位が変わっていきました。
金融機関での働き方への違和感
20年以上勤めた金融機関。 周囲から見れば「安定した職業」「真面目でしっかりした人」に見えたかもしれません。
でも実際は、出世競争と数字のプレッシャー、毎月のノルマ、上司の顔色…。 「見栄や体裁のために働いている自分」に、心の底から疲れていました。
「自分の時間を会社に差し出す人生は、もう終わりにしたい」
そう思ったとき、退職を決意しました。
脱サラ後の働き方|パート+副業のリアル
金融機関を辞めたあと、最初に選んだのは 「せどり1本で生活する」 という道でした。
本やDVD、家電、そして後半はゲーム機などを仕入れて売る──
まさに自分でお金を稼ぐ生活がスタートしました。
せどり1本で生活していた頃
最初は「せどり1本でやっていく」と決め、必死に稼ぐ日々。 本、DVD、家電、ゲーム機… 毎日店舗を回り、夜はひたすら出品・梱包。
一番良かった月で11万円の利益も出ましたが、平均は4〜5万円。 預金を切り崩しながらの生活で、「これをずっと続けるのは厳しいかもしれない」と感じるようになりました。
何より、孤独との戦いがきつかったです。 「誰にも頼れない働き方」は自由の裏返しでもあります。
ハイブリッド型へ転換
「体を動かす仕事もしたい」「人と関わる場がほしい」 そう思って始めたのが、パートとの組み合わせです。
スーパーの畜産部門、コンビニ深夜勤務、ガソリンスタンド夜勤なども経験。 どれも簡単ではなかったですが、「やってみることで得られる気づき」もありました。
たとえば、体力面や人間関係の難しさ、時間の使い方、老後でも続けやすい仕事とは何か…。 自分の中で「働く基準」を見直す時間にもなりました。
そして最終的に、今の「客室清掃+副業」という形に落ち着いたのです。
今は「客室清掃+副業」でバランスの良い働き方
午前中はホテルの客室清掃のバイト。 午後はせどり、ブログ、クラウドワークスなど、自宅でできる副業に取り組んでいます。
「体を動かす時間」と「机に向かう時間」のバランスが良く、 今までで一番、心も体も無理なく働けている実感があります。
また、ひとつの仕事だけに依存しないことで、精神的な安心感も得られるようになりました。 収入は多くないけれど、生活の満足度は以前より高いです。
脱サラ後のお金事情|収入・支出・暮らしの工夫
脱サラ後、お金の流れは大きく変わりました。
収入は大幅にダウン。でも、暮らしは整った
金融機関時代は、毎月安定した給料と年2回の賞与、退職金制度もありました。 一方で、脱サラ後の収入はかなり不安定になりました。
- 客室清掃バイト:月10万円前後
- 副業(せどり・ブログ・クラウドワークスなど):月数万円 → 年収ベースでは、会社員時代の半分以下です。
でも、収入が減ったからといって「生活の満足度」まで落ちたわけではありません。 むしろ、ムダな支出を見直し、暮らしを「自分にちょうどよく」整えていくことで、精神的な安心感が増したように思います。
支出の見直しで「小さく暮らす力」がついた
収入に見合った生活をするために、いろんな支出を見直しました。
- 格安SIMに乗り換え
- 外食は月1回以下、基本は自炊
- 家賃の安い物件へ引っ越し
- 衣服は必要最低限のみ購入(ユニクロ中心)
- サブスク・保険・固定費の削減
「なくても困らないもの」にお金を使わなくなった結果、 生活が質素になったというより、むしろ「整った」感覚です。
預金・投資・ポイント活用もフル活用
脱サラを決断できたのは、会社員時代の預金があったからです。 また、退職後は少額でも投資(新NISA)を始め、 配当金やポイントサイトも日常的に活用しています。
- 新NISAの高配当株投資 → 年間 数万円程度の配当
- ポイントインカム経由で楽天やAmazonの買い物 → ポイント還元
- クレカ案件やポイ活で、日用品代を浮かせる工夫
「使う」「稼ぐ」「貯める」「増やす」の4つを意識して、 お金との付き合い方を見直してきました。
脱サラして気づいたこと|自由と孤独のリアル
脱サラしてもう数年。
やってみて初めてわかったことが、良い面・悪い面どちらにもありました。
良かったこと(メリット)
- 自分の時間を自分で決められる自由
- 出世競争や会社の人間関係からの解放
- 心身のストレスが激減し、睡眠の質や体調も安定
「会社のため」ではなく、「自分のため」に働けることの心地よさは、脱サラして初めて実感しました。
大変だったこと(デメリット)
- 孤独を感じる瞬間が増えた(相談相手・仲間がいない)
- 収入が不安定で将来の見通しが立てづらい
- 社会保障(年金・保険)の手続きはすべて自己管理
とはいえ、会社員時代も「人に囲まれていたけれど孤独だった」部分がありました。 脱サラして気づいたのは、「本音でつながれる人間関係のありがたさ」です。
脱サラを考えている50代へ|3つの準備ポイント
「もう会社を辞めたい…」
そう思っても、50代での脱サラは勢いだけでは危険です。
私の経験から、これだけは準備しておいた方がいいと感じたポイントをまとめます。
生活費1年分」の預金を確保しておく
- 退職後すぐに収入がゼロでも、焦らず動ける安心材料
- できればプチ投資(NISA)や副収入も持っておく
会社以外で稼ぐ経験をしておく
- 副業(せどり・ライター・ブログ・クラウドワークスなど)
- 小さくても「自分で稼げた」という体験は大きな自信に
完璧を求めすぎず、柔軟に働き方を試す
- 最初からうまくいかなくてもOK
- 「失敗してもまたやり直せる」という気持ちで動くことが大切
まとめ|脱サラは「失敗」ではなく「選択」

脱サラは決して楽な道ではありません。 でも私は、会社員時代には得られなかった自由と心の安定を手に入れました。
- 誰かの評価より、自分の納得を優先できる
- お金より、時間と心のゆとりを大切にできる
そんな暮らし方も、50代からならではの「選択肢」としてアリだと感じています。
👉「会社を辞めようかな」「このままでいいのかな」と悩んでいる方へ。 この記事が、あなたの背中をそっと押すきっかけになれば嬉しいです。
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