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「今日は時間が足りない…」「あと3部屋なのにチェックインまで30分!」
客室清掃をしていると、そんな“追い込まれた状況”が必ずあります。
もちろん、手を抜くのは基本NG。
でも現場では、完璧を目指すよりも“ミスを防ぎながら時間内に仕上げる”ことが求められる場面もあるのが現実です。
この記事では、50代で客室清掃を続けてきた私が、
「ここは絶対手を抜いてはいけない」「ここは慎重に見極めて“軽く仕上げる”」
という「現場で学んだ“禁断の手抜きポイント”」を紹介します。
あくまで目的は“サボる”ことではなく、クレームを防ぎながら時間を守るための判断力。
その境界線を、体験をもとにお伝えします。
- 客室清掃で「手を抜いてはいけない場所」と「抜いても大丈夫なライン」
- 現場で時間に追われたときの判断基準
- クレームを防ぐためのチェックポイント
- “見えない工夫”で時短を実現する方法
手抜きが必要になる「現場のリアル」

客室清掃の現場は、時間との戦いです。
特に繁忙期やスタッフ不足の日は、1人で10部屋以上を任されることもあります。
1部屋あたり20分が目安と言われても、
「部屋が汚れ過ぎて時間がかかった」「アメニティ補充が遅れた」など、
実際には1部屋20分以内で終われないことも。
そんな時に大切なのが、
どこを丁寧に仕上げ、どこを最小限に留めるか”を見極める判断力。
それができる人ほど、現場で信頼されます。
絶対に手を抜いてはいけない部分
まず最初に、どんなに急いでいても絶対に手を抜けない部分を整理しておきましょう。
ここを怠ると、ほぼ確実にクレームにつながります。
① 目に見える汚れ・ホコリ
お客様が部屋に入ってまず目にするのは、
テーブル・テレビ台・ベッドサイド・鏡・窓際など。
ここにホコリや髪の毛が残っているだけで、
「掃除が雑」と感じられてしまいます。
- 目視で全体をしっかり確認する
- ベッド下・テレビ裏は一瞬で
「1秒の確認」がクレームを防ぎます。
② コップ・グラス・マグなど“口に触れるもの”
ここは清掃歴何年でも手を抜けない部分。
お客様が直接口をつけるものなので、
水アカや曇りがあると「衛生面が心配」と感じられます。
- コップは水ですすぐだけでなく、布巾で乾拭き
- 少しでも曇りがある場合は交換
- 特に“グラスの底”は指紋・輪ジミが残りやすい
「見た目の清潔感=信頼度」につながります。
状況によって“軽く済ませる”判断ができる部分

ここからは、時間が足りないときに“最低限で済ませてもOK”な部分。
ただし、“確認をして大丈夫だと判断できた場合のみ”です。
① 掃除機がけ
床全体にホコリが見えない、髪の毛も落ちていない――
そんなときは「全体がけ」ではなく“部分がけ”でも十分です。
- 入口〜ベッド周り〜洗面前だけをさっと通す
- ベッド下などの見えない部分は目視チェックで済ませる
- 最後に掃除機跡(ライン)を軽くつけると仕上がり感が出る
② トイレ(汚れ・においがない場合)
トイレは意外と時間を短縮出来る場所。
目に見える汚れ・水滴がなければ“さっと拭き”で十分な場合もあります。
- 水面や便座に汚れがないか目視確認
- ニオイがなければ、便座・タンク周りを軽く拭く程度
- 最後に除菌スプレーで“仕上げ感”を出す
③ 風呂(状態確認が命)
ここが一番の判断ポイント。
バスルームは清掃時間が長く、クレームが発生しやすい場所でもあります。
でも実は、未使用・ほぼ未使用の浴室があるのも現実。
- 床やバスタブを素手でなでてみる(ざらつき・ヌメリ確認)
- ざらつきがなければ、
→ 洗剤を軽く吹きかけ、シャワーで流して拭き上げ - 鏡・蛇口・排水口は軽くクロスで乾拭き
この「触って判断」は経験者ほどよくやる方法。
ただし、見逃すと一発クレームなので最終チェックは絶対に目視+触って判断!
④ ベッドメイク(壁側・見えない側を効率化)
時間短縮のためには、見えない部分を最小限に。
- 壁側(お客様が見ない側)の角を軽く整える
- 枕部分は丁寧に仕上げる
- ベッドの足元部分は簡単に仕上げる
壁側を完璧にしようとすると時間を奪われます。
お客様の視点で「きれいに見える」ことを優先しましょう。
手抜きをするときの“大前提”
ここまで読んでわかるように、
「手抜き=サボり」ではなく、“状況判断の時短”が大事です。
- 状態確認をきちんとしている
- 汚れ・ニオイがないことを自分で確かめている
- クレームにならない範囲で仕上げている
逆に、
「時間がないから確認せず飛ばす」
「いつも通りやったつもりでチェックしてない」
これが一番危険です。
“手を抜く前に、まず確認”
これが、プロとしての最低ラインです。
急ぐ時こそ“手を抜かない心”が信頼をつくる
時間がない時こそ、「丁寧に見せる」意識が大切。
細部までは完璧でなくても、“全体が清潔に見える仕上げ”を意識すれば、
お客様から見た印象は大きく変わります。
「手を抜く=手順を減らす」ではなく、
“時間を減らしても品質を落とさない工夫”
これが、長く続けられる客室清掃の極意だと思います。
まとめ|“手抜き”とは手順を減らすことではなく、判断力

客室清掃の仕事で「手を抜く」という言葉には、ネガティブな印象があるかもしれません。
でも現場で働くとわかるのは、
「やらなくていい部分」と「絶対にやるべき部分」を見極めることこそ、プロの技だということ。
- 目に見える汚れ・コップ類は絶対に手を抜かない
- 状態が良いときは、掃除機・トイレ・風呂・ベッドメイクの“軽い仕上げ”で十分なこともある
- ただし、その判断には「目視と触感による確認」が欠かせない
手抜きをする=雑にする、ではありません。
「限られた時間の中で品質を保つ」ための技術と経験の積み重ねです。
むしろ、こうした判断ができるようになると、
1部屋ごとの仕上がりのムラが減り、安定した清掃品質が保てるようになります。
そしてそれこそが、現場で信頼される清掃スタッフの証。
“早く終わらせるための手抜き”ではなく、
“時間をかけずにきれいに見せる工夫”を身につけること。
それが、この仕事を長く続けていく上での大きな武器になります。