「清掃の仕事って、ただ体を動かすだけでしょ?」
そんなふうに思っていた私が、ビジネスホテルの客室清掃を始めてから、もうすぐ丸2年。
50代で初めてこの仕事に飛び込んで、正直しんどいこともありましたが、それ以上に得るものが多かったと感じています。
この記事では、私が実際に客室清掃を続けてきた中で気づいた5つの学びをまとめました。
体力・人間関係・働き方のバランス――。
清掃バイトを通じて「これからの暮らし方」まで考えるようになった私のリアルな体験談です。
「清掃って続けられるの?」「50代からでも大丈夫?」
そんな不安を感じている方にとって、少しでも参考になれば嬉しいです。
- 50代から客室清掃を始めて、実際に感じた「体力面」のリアル
- 女性が多い職場で、人間関係をうまく乗り切るコツ
- 清掃の仕事を通して気づいた、暮らし方や働き方への考え方の変化
- 50代でもムリなく続けるために大切な“意識の持ち方”
- 「キツさ」より「得られた学び」が上回った理由
働き続けて見えてきた「体力と年齢」のリアル①

50代でも続けられるけど、無理は禁物
客室清掃の仕事は、体を動かす作業が多く、思っていた以上に体力を使います。
とはいえ、50代でも十分に続けられる仕事です。ただし――毎日元気で当たり前ではないというのが、正直なところです。
若い頃と違って、前日の疲れが翌日に残ったり、ちょっとしたことで腰やひざに違和感を感じたりすることも。だからこそ、無理をしない働き方が大切だと実感しています。
特に大事なのが「休み方の工夫」です。
週に何日入るか、連勤は何日までにするか、休みの日はしっかり体を休めるか――そういった「自分なりのペース」をつかむことで、50代でも安定して続けられるようになっていきます。
体力勝負のイメージがある客室清掃ですが、実際は「年齢なりの体の使い方」と「働き方の調整」でカバーできる仕事だと感じています。
人間関係は「深入りしない」が一番ラク②
最初は気を遣うが、慣れれば距離感がつかめる
客室清掃の仕事を始めたばかりの頃は、「どんな人がいるんだろう」「馴染めるかな」と不安を感じることもありました。
特に50代で新しい職場に飛び込むのは、なかなか気を遣うものです。
でも実際に働いてみると、人間関係は浅く・広くくらいがちょうどいいと感じるようになりました。
清掃の仕事は基本的に一人作業が多く、ずっと誰かと話しながら働くわけではないので、適度な距離感が保ちやすいのが特徴です。
そして、人間関係で一番大切なのはシンプルに
感じのいい挨拶と「悪口を言わない」こと。
無理に仲良くなる必要はありませんし、余計なことを言わないほうがラクに続けられます。
最初はちょっと緊張しても、だんだんと職場の空気や距離感がつかめてきます。
深入りしない・干渉しすぎないというスタンスを守っていれば、大きなトラブルに巻き込まれることもありません。
頑張りすぎない方が長続きする③
仕事は「そこそこ」でもOK|完璧主義だとしんどくなる
客室清掃の仕事をしていてよく思うのは、頑張りすぎる人ほど、疲れて辞めやすいということ。
最初から全力で、誰よりも早く・キレイに仕上げようとすると、体も心もすり減ってしまいます。
もちろん、手を抜きすぎるのはよくありませんが、仕事は「そこそこ」でいいと割り切ることも大切です。
真面目な人ほど「ちゃんとやらなきゃ」「他の人に迷惑をかけないように」と無意識にプレッシャーをかけがち。
でも実際には、清掃はチームプレーというより“自分の持ち場をきちんとこなす”仕事なので、そこまで背負いこむ必要はありません。
また、完璧主義の人ほど小さなミスに敏感になり、ストレスをためてしまうことも。
客室清掃は日によって部屋の状態や条件が違うため、「いつも完璧に」は難しい仕事でもあります。
だからこそ、7〜8割くらいの力で、淡々とやれる人のほうが長く続いている印象です。
「ほどほどに頑張る」を意識すると、気持ちも体力もラクになりますよ。
「お金のためだけ」にすると苦しくなる④
時給の低さは気になるが、それだけに目を向けない|「体を動かす」「生活リズムが整う」など別の視点で捉えるとラク
客室清掃の仕事をしていて、やっぱり気になるのは「時給の安さ」。
体を使って働いているのに、頑張っても収入は頭打ちという現実があります。
「これだけ動いてこの金額か…」と思う日は、正直あります。
でも、「お金のためだけ」と思ってしまうと、だんだんしんどくなるのも事実。
なぜなら、給与面だけを見ると、もっと時給が高くてラクそうなバイトは他にもあるからです。
私は途中から視点を変えました。
「体を動かすことで運動になる」「毎日外に出て、人と最低限関われる」「生活リズムが整って健康的」
──そんなお金以外のメリットに注目してみたら、気持ちがだいぶ楽になりました。
また、午前中だけで仕事が終わる日も多く、午後はブログや副業にあてられるのも大きなポイント。
「ちょっとした収入と、暮らしのリズムを整えるための仕事」と割り切ると、長く続けやすくなると感じています。
それでも、やってよかったと思える理由⑤
働きながら学べた「自分に合った働き方」|清掃を通じて見つけた自分らしい生き方
正直、客室清掃の仕事は楽ではありません。
人手不足の日や暑い夏場などは「もう辞めたい」と思うこともありました。
それでも私が2年以上続けてこられたのは、この仕事を通じて「自分に合った働き方」に気づけたからです。
・黙々と作業するのが好き
・一人で動ける時間があるのが心地いい
・決まった時間で仕事が終わる安心感
──そんな自分の性格や体力に合った要素が、この仕事には意外と多く含まれていました。
また、完璧を求めず、ほどよい距離感で働くことの大切さも学びました。
今までは「もっと頑張らないと」と思い込んでいた私ですが、清掃の現場では「がんばりすぎない」ことが長続きのコツだと実感。
無理せず働ける環境を選ぶことが、自分らしく生きる第一歩だったのかもしれません。
「大きな収入じゃないけど、毎日を大切に過ごせる」
そう思えるようになった今、あのとき客室清掃を始めた自分の選択は、間違っていなかったと感じています。
まとめ|客室清掃は「気楽さ」と「わりきり」が続けるコツ

客室清掃の仕事は、決して楽ではありません。
でも、「責任が重すぎない」「一人で動ける時間がある」など、気楽さと割り切りができれば、50代でも無理なく続けられる仕事です。
年齢を重ねると、体力や人間関係のストレスが気になるもの。
そんな中で、「ちょうどいい距離感」で働けることは、何よりの安心材料でした。
もちろん収入面での課題はありますが、
「体を動かして健康を維持できる」
「生活リズムが整う」
「自分の性格に合っている」
──そんな「お金以外の価値」に目を向けることが、50代の働き方には必要なのかもしれません。
清掃を通じて見えてきたのは、
「どう働くか=どう生きるか」に直結しているということ。
今後も、自分に合った無理のない働き方を模索しながら、暮らしと老後の準備を進めていきたいと思います。